復習 2005 3 14

 知人や友人から、「金利が上昇すると、なぜ債券価格は下がるのか」と聞かれます。
そこで、復習の意味で、過去の記事を掲載します。
 個人投資家は、「債券相場なんか関係ない」と思っているでしょうが、
これからの時代は、債券相場の動きが、株式市場に影響を与えるかもしれません。
そういうわけで、これからの投資家は、債券相場や外国為替も理解できることが必要です。

書評 book review 2004 11 7

書名 国債の知識が面白いほど身につく本
著者 前田佳彦
出版社 中経出版

 国債について、よく知らない人が多いと思います。
たとえば、金利が上昇すると、国債価格が下落します。
これは、一般の人から見れば、不思議に思うでしょう。
この本は、そういう素朴な疑問について、わかりやすく書いてあります。
 金利の動向によって、国債価格が上下するのは、なぜか。
これは、簡略化して言えば、こういうことです。
 一般的な国債は、利子が、満期まで固定されています。
たとえば、利子が1%の国債を持っていたとします。
その後、金利が上昇して、2%になったとします。
そうすると、「利子が1%の国債」を売りたくなっても、誰も買ってくれません。
(店頭では、「利子が2%の国債」を売っていますから)。
 そこで、こういう場合は、国債価格で調整することになるのです。
国債には、価格があります(その価格は、概ね100円です)。
細かい計算は省略しますが、
たとえ「利子が1%の国債」でも、国債価格を93円にすれば、誰かが買ってくれるでしょう。
 たとえば、国債を100万円分持っていたとすると、
買った時は、100円×10,000=1,000,000円
売った時は、93円×10,000=930,000円
 このように、国債を買った後に、金利が上昇してしまうと、損をしてしまうのです。
だから、国債を買った人は、「金利が下がれ」と祈るのです。
つまり、金利が下がるということは、景気が悪くなっていることを意味しますので、
国債を買った人は、「景気が悪くなれ」と祈るのです。
 もちろん、国債を満期まで所有する場合は、こうした心配はありません。
こうした心配が発生するのは、途中換金して儲けようとする人たちです。
あるいは、国債を時価評価する場合です。
 ここで取り上げた国債とは、「通常の国債」のことで、
「個人向け国債」のことではありませんので、注意してください。
 (ついでに、過去の記事から)
債券バブル bond bubble 2004 9 11
 先日、債券相場は、バブルの状態にあると書きました。
「株や不動産は、1989年にバブルの頂点に達しました。
同じく、国債相場は、2003年がバブルの頂点となった可能性が高いのです。」
 これに対し、違和感を持つ人が多いので、
具体的に、数字で説明しましょう。
 長期国債先物価格のグラフを見てみると、
1991年の90円割れを安値にして、ここ10年以上も上昇を続けているのです。
具体的には、以下の通りです。
 1991年 90円割れ
 1993年 100円強
 1995年 115円前後
 1997年 120円弱
 1999年 128円前後
 2001年 130円前後
 2003年 140円強
このように、数字で見ると、
1991年から、ひたすら右肩上がりに上昇を続けているのです。
 これは、日経平均株価が1982年の安値を基点に1989年まで上昇したグラフと似ています。
だから、債券バブルの状態にあると言えるのです。
(注意)
上記の数字は、グラフから拾いましたので、正確な数字ではありません。
およその目安としての数字です。




















































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